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Cal.7S26と6Rの精度(BoyとSUMO)

---前回の続き---
じゃあ、実際の5シリーズの精度ってどうよ?というお話です。

7S26のテクニカルガイドによると、

・文字盤上の静置状態における日差は-20秒から+40秒の範囲(つまり、最大幅で60秒あります)
・姿勢差は12時上/9時上/6時上/3時上のそれぞれの状態での最大と最小の差は60秒以内。

この範囲内で”精度が悪い”と販売店に持ち込んでも「仕様の範囲内です」と言われて退散することになります。しつこいとクレーマー扱いですね。お高い”クレドール”用の4Sでさえ、日差は-10秒から+15秒の範囲です。
GSですら誤差ゼロではありません。機械式時計なら、どこの製品でも誤差があります。

さて精度の調整機構ですが、こちらは45クロノメーター。
進み/遅れの微調整は+ -の方向の記号のある偏芯ネジでおこないます。ひげ棒のクリアランス調整用レバーもあります。
このレバーでひげ棒とひげゼンマイとの接触を調整するのです。
45KS

一方、こちらが5の7S26(4Rでも6Rでも同じです)微調整機構はありません。割り切ってます!
○のレバーを動かして片振りを修正、〇〇のレバーを動かして進み/遅れを調整します。
SKX007

では、タイムグラファーで精度をチェックしてみます。写真はムーブメントのOH&調整済みの7S26C。
片振りをゼロにして+10秒を目安に調整した結果です(注:7S26は手巻き機能が無いため、ゼンマイは規定までドライバーを使って直接巻いた状態)

文字盤上、いわゆる平置き。
DSC08113.jpg

3時上(リューズ上)
DSC08114.jpg

12時上
DSC08115.jpg

9時上(リューズ下)の写真を取り忘れました・・・
調整といっても、グラファーの表示を見ながらピンセットの先で調整機構を”ちょい”と動かすだけです。
文字盤上の静置状態でも、時計を立てた状態でも、テクニカルマニュアルの既定値内に収まります。
私の使い方では、だいたい日差+5秒程度におさまります。
個人的には、一般的な生活パターンを月曜日から金曜日まで続けて日差が10秒を超えると微調整することにしています。
このクラスの時計だと季節影響(気温の影響)がありますし、そもそも6振動ですから装着時の外乱影響も大きい。グラファー見ながらギリギリまで詰めても意味が無いと割り切ってます。

「これってOHして調整済みなんでしょう?じゃあ使い込んだ個体とか、新品でも未調整だったらどうなの?」

ごもっともな質問ですね。それほど数を持っているわけではないのですが、手持ちの時計をグラファーにかけてみます。

SKX007その1(Kモデル)、ムーブメントは2010年製(ダイヤショックだけ給油してます)
DSC08509.jpg

SKX007その2(Kモデル)、2015年製。
DSC08511.jpg

買ったばかりのオレンジボーイ(Jモデル)、2017年製

DSC08513.jpg
リューズ下の状態
DSC08515.jpg


比較用の6R搭載 グリーンSUMO(Jモデル)、2018年製
DSC08516.jpg
リューズ下の状態
DSC08517.jpg

やはり6Rは出荷時によく調整されていることがわかります。
一方、7Sは調整無しでしょう(多分、機械が組み立てて終わり)でも少し調整するだけで相当良くなります。
実際、販売している5シリーズの品質と精度を売りにされる有名店では出荷前の検品と調整に時間を掛けていらっしゃるそうです。

精度がどうしても気になるけど、自分で調整なんか無理(グラファーなんか買ってられない)という方は、6Rを搭載したSUMO(SBDC031/033)を買っちゃいなよ・・・SEIKOアウトレットで今なら36,000円で売ってますから。

SUMOのケースサイズがどうしても気になる方はSKX007とSBDC031の両方をお買い求めいただいて、中身だけを交換するとう事もできます↓
DSC07119.jpg

DSC07113.jpg

これはナカナカ格好良いので、海外でも見かける改造です。
セイコー様が40mm径の4Rか6Rダイバーを出してくだされば一気に解決する問題なのですが・・・

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Author:みなみふなばし
1970年前後の国産機械式腕時計のレストアや現行ダイバーウオッチのMODが趣味の人間です。

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